学びの内容

シマザキ サトコ

島﨑 里子 准教授

専門分野

英語学(英語史)、中世イギリス文学・文化

自己紹介・学生へのメッセージ

 私が専門とする英語史研究は、英語という言語を、単なるコミュニケーションの手段としてではなく、英語圏の文化や社会を反映する生きた資料として捉え、言語の背景にある人間文化について深く考察していく学問分野です。
 過去から現在に至るまでのさまざまな時代に書かれた英語の文献をつぶさに観察し、その当時の人々の英語使用について、音韻や文法、語形、意味、綴り字、更には、人々を取り巻く社会や文化の観点から、多角的に分析を行っていきます。最近は、印刷術が導入される以前に作られた中世の手書き写本を読み解いて、当時の英語やそれを使っていた人々の暮らし、思想について考えています。
 このようにして英語の発達の歴史を知ることはまた、英語にまつわる素朴な疑問——英語には、なぜ発音されない綴りがあるのか、なぜ規則動詞と不規則動詞があるのか、なぜ主語は目的語より前に置かれるのか、なぜ同じ意味を表す単語が複数あるのか、というような問いに対する答えを得ることにもつながっていきます。
 大学での英語の勉強は、スキルの習得だけに留まりません。英語という言語そのものについての知識を深めて視野を広げ、異文化に対する豊かな感受性を養いましょう!
 
担当科目
■文学部 英語英文学科
英語史I / II
入門セミナー・ことば
特別演習I / II
海外研修(英語圏)A / B
卒業論文
 
■大学院 英語英文学専攻
英語学演習C
修士論文指導
研究指導(博士)
担当科目の内容
■文学部 英語英文学科

英語史I / II
「英語史」の学びは、言語としての英語を理解することから始まります。
もともとヨーロッパの小民族の間で使用されていた英語は、ブリテン島へ渡って以来、1500年あまりの間にさまざまな異文化との接触を繰り返し、現在の世界共通語としての地位を獲得しました。この授業では、英語という言語が持つ構造や特徴が、時代の流れと共にどのように変化したのかを、具体的な例を検証しながらたどっていきます。同時に、それらの変化を引き起こした要因についても、社会的・文化的文脈の中で考察します。

■大学院 英語英文学専攻
 
英語学演習C
今から約600年前、中世イギリスの人々はどのような英語を使っていたのでしょうか。
この授業では、現代英語の原型である中英語を初歩から学びます。テキストは、当時の代表的な文学作品(まずは、シェイクスピアも大いに影響を受けたジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』)を取り上げます。物語に登場するさまざまな職業の老若男女の語りを通して、当時の人々の暮らしや女性の生き方、社会や文化の様相についても考えていきます。
 
業績
■著書
  • Sawles Warde and the Wooing Group — Parallel Texts with Notes and Wordlists (Peter Lang, 2015, 共編著)
  • The Katherine Group — A Three-Manuscript Parallel Text:Seinte Katerine, Seinte Marherete, Seinte Iuliene, and Hali Meiðhad with wordlists (Peter Lang, 2011, 共編著)
  • 『新英和大辞典』第6版(研究社、2002年, 分担執筆)他

■主な論文
  • 「古英語期におけるchaste marriageに見る女性像 —Aldhelm, Bede, Old English Martyrology and Ælfric」(『昭和女子大学女性文化研究所紀要』第45号, 2018/3, 単著)
  • 「古英語期におけるNativity of Maryの受容について —A Three-Manuscript Diplomatic Parallel Text of the Old English Anonymous Nativity of Mary, Trial Version」(『昭和女子大学女性文化研究所紀要』第42号, 2015/3, 単著)
  • “Anglo-Saxon Attitudes towards Judith —Aldhelm, the Judith-poet and Aelfric”(『昭和女子大学女性文化研究所紀要』第41号, 2014/3, 単著)
  • “‘Ides Ælfscinu’ in Judith —Elves and Women’s Beauty in Old English Literature”(『昭和女子大学女性文化研究所紀要』第33号, 2006/3, 単著)
  • “Historical Inquiry into the Meaning of Wife and Woman”(『昭和女子大学女性文化研究所紀要』第29号, 2002/3, 単著)
経歴
■経歴
東京女子大学 文理学部卒業 学士(文学)
同大学院 文学研究科 修士課程修了 修士(文学)
昭和女子大学大学院 文学研究科 博士後期課程単位修得満期退学
博士(文学)
昭和女子大学大学院 文学研究科 研究助手(専任)
同大学院/大学 専任講師、准教授を経て2024年4月から現職
 
■所属学会
日本英文学会
日本中世英語英文学会
ISSEME(International Society for the Study of Early Medieval England)
 
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