白百合について

学長室の窓から No.42

2023年8月2日

2023年前期を終えて
 

白百合女子大学
学長 髙山 貞美

 今年も早8月となりました。
 久しぶりの投稿となりますが、みなさんにはお元気にお過ごしのことと存じます。

 ここ数ヶ月はコロナ禍もようやく落ち着きを見せ、キャンパスを行き交う学生たちの姿にも活気が感じられるようになりました。パンデミックで一時中断していた国際交流も少しずつ回復し、協定校や他大学との交流も深まってきています。
 5月13日(土)には「建学の精神を活かした大学運営—台湾と日本の取り組み事例—」というテーマで、台湾の林耀堂先生(文藻外語大学前副学長)と日比谷潤子先生(国際基督教大学前学長)の講演会が本学で開催されました。建学の精神とは、大学開設にあたって、どのような人間を育成したいかなどの理念を謳ったもので、それぞれの大学の存在理由とも言うべきものです。お二人の先生のお話から、建学の精神に基づいた教育の具現化・体系化のためのアイデアやヒントを得、改めて「白百合らしい教育とは何か」を考える良い機会となりました。

 また、5月17日(水)には、2019年より協定校となった東北財経大学(中国)の胡偉先生の訪問を受けました。これまでコロナ禍で学生交流が叶いませんでしたが、今年度後期より大学院生1名を受け入れる予定です。さらに、6月には静宜大学(台湾)の林思怜学長ら3名の先生がご来訪されました。林学長には初めてお目にかかりましたが、明るく大変親しみやすい方でした。静宜大学とは2001年から交流があり、交換留学をはじめ中国語TA(ティーチング・アシスタント)としてインターン学生の受け入れやオンラインによる交流など関わりを深めてきました。今年度は日本語研修学生の受け入れを5年ぶりに再開し、7月に静宜大学で日本語を学んでいる20名の学生を受け入れ、日本語や日本文化体験の研修を行いました。わずか2週間の滞在とはいえ、きっと彼らにとって思い出に残る素晴らしい体験となったことでしょう。

 ところで、本学の設立母体であるシャルトル聖パウロ修道女会の3名のマ・スールが函館の地に降り立たれてから、今年で145周年を迎えました。5月17日(水)、函館のカトリック元町教会で荘厳な感謝ミサがささげられ、神父、修道女、信徒ら約120名が参列しました。函館から始まった修道女会の教育・福祉活動は全国に広がり、またさゆり園(函館)と八代ナザレ園(八代)は子どもや児童の養育に深く関わり地道に活動しています。この記念すべき年に日本管区のマ・スール方に心から感謝とお祝いの言葉を申し上げるとともに、いつまでもお元気にお過ごしくださいますようお祈りいたします。

 最後になりますが、各地で猛暑日が続いています。先日も国連グテーレス事務総長が、「地球温暖化の時代が終わり、沸騰化の時代が到来した」と警告を鳴らし、熱波などにより人々の健康や経済に与える影響への懸念が一段と強まっていることを訴えました。日本の気候も年々亜熱帯化し、四季の変化の味わいが失われつつありますが、みなさんにはくれぐれもおからだを大切になさってください。なお、この「学長室の窓から」は今後季節ごとのお便りとさせていただきます。引き続きよろしくお願い申し上げます。


  

 

 


Page Top