白百合について

学長室の窓から No.35

2022年7月12日

予定は未定、の現実

白百合女子大学
副学長 小林 明子

皆さま、こんにちは。
梅雨が明けて、気温の高い日々が続いています。

原則、対面授業で始まった新年度開始から3ヶ月が経ちました。キャンパススクエアやマナバコースを学修や連絡のツールとして活用しながらの生活ですが、1年生はだいぶ慣れてきたところ、2年生以上は十分に使いこなしているといったところでしょうか。

感染状況ですが、少し前まで市中感染者数は徐々に減少してきていましたが、その数値については「下げ止まり」という言葉が聴かれるようになり、そして最近は逆に増加傾向に転じています。社会全体でさまざまな規制を緩和し、コロナと共生していくことを考えた取り組みが様々に行われてきました。しかし、学内での授業の受講や課外活動への参加、学内での過ごし方については、現在の感染状況を見ますと、引き続き、基本的な感染防止策の徹底により一層留注意していただくことに尽きます。どうぞ、この点をご理解いただき、あらためて感染防止に留意してください。よろしくお願いいたします。

皆さんの心境としては、時間がかかるけれども、またコロナ禍以前と全く同じとはいかなくても、以前に近い生活が戻ってくるものと思われていたことでしょう。現に例えばイベントなど催事の開催制限も緩められ、旅行も感染防止に配慮した形で企画され、それらに人々が出かけていくようになりつつある変化が見えてきています。終息がいつになるかが不確かななかで、自由な行動が可能になることへの期待は皆がもっていて、今後の予定なども立てられていたことでしょう。またしても、より一層の注意をはらう必要が生じた状況となり、予定は未定、という現実を再認識することになりました。

私たちは、それぞれに短い今日、明日、あるいは1ヶ月、3か月、半年、さらに1年、3年、5年などといった期間に区切りをつける形で、計画をたてることをします。

しかし、予定とおりに進まないことがままあり、既にそういう経験をした方は多いでしょう。自分の思うように事が進めば、それに越したことはありません。そうはいかないのが、現実です。その思うままにならない状況において、何ができるか、どう考え直したらよいか、何か工夫はできないか、と考えることなかに、新たな展開を見いだす可能性が潜んでいます。今、直面している状況に抗うのではなく、より現状に即した最適化を目指し、意味のあるものへと転化するために思案すること、試みることです。考え方の方向性を少し変えることによって、今まで見えなかった風景が見えてくる場合があります。

予定をたてることは大切ですが、自分の意思以外でもたらされる予定変更に戸惑うことなく、柔軟に対処すること、そこにこそ不確実な、先の見えない現代を生きるなかで、光を見いだす契機がと思います。

 

 

 

 


                 



Page Top